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的場山 山頂までの道のりと風景

たつの市の中心を揖保川が流れています。揖保川は、龍野の人間にとっては昔から言わば”母なる川”として存在しています。では、”父なるもの”と言えば?それは、”台山(だいやま)”ではないでしょうか?この山は地元ではこの名前で親しまれていますが、正式名は的場山(まとばさん)[標高394m]です。今回は龍野町の龍野神社から台山への登山ルートをご紹介します。往復で約1時間40分程度ですので、年間を通して軽い登山を楽しむ老若男女が数多くいらっしゃいます。下の写真は、揖保川と台山を一緒に写したものです。(文中の<数字>は写真の番号で、写真の方は、クリックすると拡大出来ます。)

揖保川から眺める的場山

まず、龍野神社<1>の階段を一番上まで登ると、右に小道<2>があります。石のゆるやかな階段を登っていくと直ぐに左手に竹から山水がチョロチョロと流れ出ている“力水”<3>があり、その向うには龍野神社の山側の鳥居<4>が見えます。この鳥居をくぐると、紅葉谷から上がってくる道と交差し、そこに道標<5>が立っています。道標に書いてある「野見宿禰(のみのすくね)神社」の方向にゆるやかな石段<6>を登っていくと展望台<7>に着きます。龍野神社からここまでは、約7,8分というところでしょうか。この展望台からは龍野町の川西地区や揖保川、ヒガシマル醤油等が見渡せます。<8>そして、龍野の生んだ詩人・三木露風の「赤とんぼ」について書いた看板<9>が立てられています。

ここから野見宿禰神社の参道の階段<10>が始まります。約110段余りですが、結構急な勾配です。登りきるとがっしりとした大きな石の門の扉<11>が出迎えてくれます。これが野見宿禰が祀(まつ)られている神社(古墳)です。さらに左右に小道があり、この小道が円状にこの古墳の周囲を囲んでいます。

道の外側には歴代(古代?)の力士の名を刻んだ玉垣が並んでいます。例えば写真のように「朝汐太郎」<12>とか、「横綱・梅ヶ谷勝太郎」<13>とか。特に「朝汐太郎」は1人でなく複数おられると思いますが、何代目の方かは分かりません。
先ほど道が円になっていると書きましたが、ちょうど円の反対側、つまり石の扉から180度回ったあたりに台山へ登る道が続いています。<14>

この道は少しだけゆるやかでしたが、かなり険しくなっています。<15>写真でご覧頂くと分かると思いますが、道ではなく岩場ですね。途中にシダの群生が見られます。<16>このような岩か道か分からないところを10分ばかり登ると見晴らしの良い所に出ました。ちょっと休憩して写真をパチリ。<17>揖保川がかろうじて見えました。

しばらく登ったら急に平坦な道に出ます。<18>ここは山の稜線です。つまり山のてっぺんなのですが、頂上ではなく尾根ですので、これを進んでいくと頂上に着くはずです。
しばらく進むと前にコンクリートの壁が見えてきました。近寄って上を見るとアンテナの塔のようです。<19>そこからさらに進むと両見坂から登る道に合流して、木の階段<20>が続き、またもや大きなアンテナの塔が見えてきました。これを登りきったら台山のてっぺん、つまり的場山の頂上なのです。<21>

ようやく頂上に着きました。龍野神社から出発して約50分。大変すがすがしいです。
景色が見える方角は南と西です。特に南を見ると揖保川の流れが遠くまで続いているのが大変印象的です。<22>海までは見えませんが、今まで見たことのない遠くの景色ですね。とにかく、ぐるっと周囲を見渡しても自分が立っている場所より高いものは見当たりません。頂上なので当たり前ですが、イイ気分ですね。

ここには「近畿自然歩道」を解説した看板<23>があり、ここは色んな所へ行ける中心的な場所のようです。例えば、北へ行けば城山(きのやま)城、南へ行けば菖蒲谷(しょうぶだに)、東へ下れば三坂神社と両見坂等々です。<24>

帰りは、東へ降りるコースを選びました。道の左手は、北ですから、ちょうど新宮町の山、・亀山あたりが見えています。<25>ここもしばらくは平らな道<26>が続きましたが、10分もすると段々急な坂になってきました。途中で北側の揖保川が見えてきましたのでここでも写真をパチリ。<27>さらに急な坂が続きましたが、今度は東・南の視野が広がり、東に向かってパチリ<28>、さらに深い谷の南側に向かってパチリ。<29>

ここからは、登りの時に出くわしたような岩か道か分からないような急な道がしばらく続き、三坂神社の標識<30>が立っている所を通過して下ると、少し緩やかな傾斜になってきました。そこでは、ウグイスや野鳥のさえずりが大変よく聞こえました。ホー・ホケキョはウグイスですが、チ、チ、チチチ・・ケキョ・ケキョ・ケキョと鳴く鳥もいて“何やあの鳥は?”と思いました。<31>それからしばらく下ると周りの木が一変して、檜の林になりました<32>。つまり両見坂に着いたのです。(ここは国有林として管理されています)<33>

この両見坂は紅葉谷の一番奥で、ここから緩やかに下る坂が、紅葉で有名な紅葉谷です。<34>ここを下ると、「番所の跡」<35>や「侍屋敷の蹲(つくばい)※」<36>とかがあります。緩やかに曲がりくねった道の脇は小さな谷川があり、さらに下の方では合流して深い谷になっていきます。<37>所々にちょっと休む為の木のベンチ<38>が設けられ、一息ついて休むのも良し、静かに鳥のさえずりを聞きながら本を読むのも良し、といったところでしょうか。ここは年間を通して訪れる方がいらっしゃってやはり紅葉の季節の秋<39>が最も多いですが、このような緑一杯の紅葉谷<40>もすがすがしくて良いですよ。ぜひこの時期(4月〜6月)にも散策においで下さい。7月〜9月は、この谷に入るとひんやりして、暑い夏でも“涼”が感じられる場所です。

また、今回紹介しませんでしたが、近くには書院造りを模した数奇屋風の建築物として有名な聚遠亭(しゅうえんてい)も直ぐ近くにありますので、山を降りた後、聚遠亭の芝生やベンチで足を休めて下さい。<41><42>

最後に申し添えさせて頂きますが、的場山の山頂まで登るのは、途中に岩場もあり足下がかなり厳しい場所もありますから、出来るだけ山登り用の靴を着用して下さいね。

 

※蹲(つくばい)"とは、茶室の入口などに設けてある低い手水鉢のこと

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