赤トンボについて

「夕焼け小焼けの赤とんぼ・・・」と広く親しまれている童謡“赤とんぼ”ですが、この“赤とんぼ”は、実際はどんな“トンボ”なのでしょうか? 体が赤いから“赤とんぼ”なのでしょうか?
 少し詳しく見ていきましょう。

赤トンボって?

 みなさんは、赤トンボと言えば、それ自体がトンボの名前で1種類しかいないと思われていませんか?
赤トンボと呼ばれるトンボには、本当は数多くの種類があり、分類上では『トンボ科アカネ属』に属するトンボのことを総称して赤トンボと呼んでいます。現在、日本全国に21種類確認されています。(下記参照)

写真:アキアカネ(成虫・ヤゴ)

 しかし、一般的には、アカネ属に属するトンボで日本全国に普通に見ることのできる『アキアカネ(秋茜)』を赤トンボと呼ぶことが多いようです。
 このアキアカネは、秋になると平地に群れを成して出現してきます。

 ただ、赤トンボの種類を見分けるには、それなりの専門知識が必要で、素人が見分けるのは非常に困難です。
 そして、アカネ属に属するトンボであっても、ナニワトンボマダラナニワトンボは、体色が黒や青色をしていますが赤トンボに属します。

写真:ナニワトンボ・マダラトンボ

 また、アカネ属に属さないトンボであっても、ショウジョウトンボベニイトトンボ等、体色の赤いトンボもいますが、分類上正確には赤トンボではありません。ショウジョウトンボは初夏から夏の間にかけて、ため池などで見られる真っ赤なトンボです。

写真:ショウジョウトンボ(成虫・ヤゴ)ベニイトトンボ(成虫・ヤゴ)

写真:ウスバキトンボ(成虫・未熟・ヤゴ)

さらに、お盆から秋にかけて運動場などに群れを成して出現するウスバキトンボ属のウスバキトンボは、体色が黄色であるにもかかわらず、赤トンボとよく間違えられています。ウスバキトンボは、東南アジアの熱帯地方から飛来してくるトンボです。

 “赤トンボ”の種類(トンボ科アカネ属:21種類)
アキアカネ、タイリクアキアカネ、タイリクアカネ、ナツアカネ、スナアカネ、エゾアカネ、マユタテアカネ、マイコアカネ、ヒメアカネ、オナガアカネ、ミヤマアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、リスアカネ、ヒメリスアカネ、ムツアカネ、ナニワトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、オオキトンボ、ネキトンボ


※「赤トンボについて」のページの写真は、北海道大学出版会の
 「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」より転載させて頂きました。
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